コラム
読書メモ8 「遺留分侵害額請求訴訟における遺留分侵害額算定について」 東京地方裁判所民事部プラクティス委員会 判例タイムズNo.1541 2026.4
平成30年の民法改正により、令和元年7月1日以降は、
かつての遺留分減殺請求は、遺留分侵害額請求となり、すべて金銭債権となりました。
この論文は、遺留分侵害額の算定方法を解説し、新たにエクセルの計算シートを提案しています。
今後の訴訟では、この新計算シートが活用されていくと思います。
改正のポイントは大きく次の2点です。
1 遺留分算定の基礎財産に含まれるべき相続人に対する生前贈与の範囲が、
原則として相続開始前10年以内の特別受益にあたる生前贈与に限られることになったこと
(民法1044条3項、1項前段)。
2 遺産分割が未了の財産の扱いについて、
具体的相続分(たとえば特別受益を考慮する)によるべきとの考え方が採用されたこと
(民法1046条2項2号。なお、寄与分については考慮しない。)
とりわけ、2については、従前は、遺産分割が未了の財産がある場合、
法定相続分によって、遺留分権利者者が取得すべき財産(その分を遺留分侵害額から引くことになる)
の価額が計算されていましたが、これが明確に変更されたことになります。
具体的相続分の計算はとかく複雑になりがちですが、
今回の新計算シートによって、計算が簡単になると思います。

